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「ひとつ聞くよ」
視線を絡ませたまま、向かい合うように体の向きを変えた彼は
「和花、付き合っている人はいる?」
と質問を落とした。
「いない」
「未成年でもないね?」
「あはははっ…ない、ない。堂々のアラサーちゃん」
「だよな。もう何年かすずめ屋で見てるし」
「見られてた?」
「好意を持って見てた」
「ああ…いろいろと聞きたいようで、全然聞きたくないなぁ…私、面倒くさいの嫌いなの」
しかもこんな真夜中過ぎに駆け引きとか、気遣いとか、やってられない。
「それじゃ……」
ぅん…何が“それじゃ”だ…
私の髪に手のひらごと5本の指を差し込んだ藤司は、高温のキスを与える。
……久しぶりの感覚に昂ってしまったのは“不覚にも”と付け加えたい。
高温の熱源を探るように求め合ううちに…私…私…人生初のお持ち帰りの上、イケメンさんをいただいてしまったのです…やってしまいました…
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