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「分からないわよ、そんなの。公私混同した事務所じゃお客さんがいなくなるわよ?ヤバくない?」
はっ?何するの?
ポンと受話器をデスクに置いて立ち上がった武本先生は
「ああ、いなくなってじょーとー。うちが公私混同なんて言ったら、家族経営の商売はみんな公私混同なんだよ。僕たちはずっと“個人から中小企業を相手に“コンビニのように便利に使ってもらえる事務所”を目指してやってるわけ。紹介から紹介と客同士も繋がって、何もかも混同するのは得意中の得意。気に食わなきゃ終わりだ...お互いにな」
ポケットに手を入れてるけど電話は?ってか…こっちからきおか商店を切るの?
「やっぱり…ね…」
と、ここで腕を組んで、武本先生の前に立つアカネさんもスゴッ…何がやっぱりかはさっぱりだけど。
「南田先生が言ってた通りだわ」
「南田先生って言うんだ…藤司先生、要先生って言うのに…」
「アリちゃん、それな。男女平等でお願いいたしまぁす」
「ふざけないでっ。この人が藤司先生と要先生をいいように使って、この事務所を乗っ取ってるんだって。その通り…」
「なんだよ、その空想ネタは?頭、大丈夫か?はっ?笑わせてくれるよな…可愛い女の子に負けた負け惜しみがイタすぎてクソ」
出た…クソ…っていうか…私は陥れられた方ですが?
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