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「有田和花ちゃん」
「…はい」
突然のフルネーム呼び復活に一瞬返事が遅れる。
「うちの事務所に来たからには、うちのやり方を覚えて」
「はい」
「こういうおかしな言いがかりには屈しないだけでなく、やり返すのが僕たちのやり方」
「……は、い…」
「言いがかりかどうかを判断するのがここまで。このあとはやり返す」
「質問いいですか…?」
「どーぞ」
「それによってお客様が無くなるっていうのは…」
「構わない。これは三原くんが強く言うこと。客がいなけりゃ、頭下げて営業して無料相談を受けて掴むだけ、ってね」
「承知しました…」
「よし、しっかり参戦してよ?」
「…………」
それはどうでしょう?
「要先生ってこんな偉そうな感じでしたっけ?やっぱりこの人が…」
「くっだらねぇな。偉そうに仕事する奴いるか?」
カチャ…
「まだいたのか…くせぇ…」
はっ?藤司がもう帰って来て、いきなりボム投げた?
「スメハラされてるんだ、僕とアリちゃん」
武本先生が嬉しそうに言う中
「藤司先生、要先生とこの人が…」
「俺に触れないで」
アカネさんが藤司に手を伸ばして駆け寄るのと、藤司は肩をすくめるだけでなく、大袈裟に身を捩って…汚物を避けるかのようにしてこちらへ来た。
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