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「でもっ、この人じゃ、仕事にならない、戦力にならないっていうのは事実でしょ?」
「「いや」」
「クソだな」
「胸糞悪い…」
私の出番はないですね…声を揃えたあと、どっちがどっちを言ったかなんて言うまでもないし。
「まだ、何か話があります?うちには、邪魔なだけなんですが?」
と三原先生はポケットからスマホを出して、時間を見た。
「こんな事務所に誰も相談に来ないわよっ。みんなにあなた達の本性をバラしてやるんだからっ。仕事が無くなって泣くのはあなた達っ」
「へぇ…どうやってバラすと?」
「ネットで拡散するし、南田先生がお客さんを知ってるんだからそこへバラしてやるっ」
「ということは、南田と二人で?」
「そうよ。ほら、いきなりお先真っ暗、ヤバって感じでしょ?お客さんが確実に分かっているんだから」
「へぇ…でもいくら南田でも顧客の情報を口にはしないでしょ?」
「もういくつか聞いてるけど?」
「南田から?」
「そうよ」
「それをあなた…木岡さんが利用するということ?」
「そうよ。何度も聞くなんて怖くなったのね。でも私を怒らせたんだからもう遅いわ」
一瞬の間があって
「三原くん、録音出来た?」
「出来た、邦子先生に投げるわ。俺たちこんなのに構っていられない。和花、大丈夫?ついてきてる?」
先生二人が両隣から私を見た。
「はい、何とか…南田さんは守秘義務違反、木岡さんは脅迫ってことですか?スマホは録音のために持った?で、弁護士先生へ任せる…と」
「優秀だから補足なしでいいな」
「お疲れ〜アリちゃん、片付けよ」
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