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異常な興奮による非常事態だ…冷静な目覚めにはキツい状況だな。
私のハイツの小さな部屋だもの、さっさと逃げ帰るっていうわけにもいかないから、さらにキツいな。
追い返すしかないか。ないね。
「あの…起きてもらっていいですか?」
「…………」
「おーい、藤司…起きて…」
「…ぅ………ん…………」
目を閉じたまま、私の上に乗っている長い腕をゆっくりと自分の額に置いた彼は…………ダメだ…
「ちょっと、藤司っ。帰って」
「……怒って…る?」
「ぅ…わっ……怒ってないから…」
まだ目を閉じたまま、私を自分の上に乗せた彼はゆっくりと目を開ける。
ちょっと出目の私と、どちらかといえば奥目の彼が見つめあうと…カーッ……生々しい記憶が…ヤバいって…
「朝から誘ってくれたんだ…待たせた…?」
チュッ…
「ちがっ…違うからっ、帰って」
「気に入らなかった?俺はめちゃくちゃ良かったけど?和花もめちゃく…」
「あのね、それはそれ。もう帰って。責任取れだとか、何だとか絶対に言わないから」
彼は私の髪を撫でながら
「俺は和花に好意を持ってたって言っただろ?今、もう…完全に落ちてるんだけど?」
と甘い笑みとともに、私に甘い耳鳴りをもたらせた。
「………こういうのいらない」
「好きって言ってる」
「面倒くさいのはいらない…だいたい……藤司は知らないんだよ。この部屋の散らかり具合いにも気づいてないんだって」
二人とも熱に流されただけ…
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