転職、転居…順調?

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「特に決めてなかった」 藤司に、正直に緩さをさらけ出すことはすでに普通のことだ。 「じゃあ、11時頃から車を走らせて、昼飯どっかで食べて、到着くらいでいいか?」 「うん、いい」 「それ電話しておいてくれる?」 そう言われると、あとでは遅いから今になるよね。 「もしもーし、お母さん。明日藤司と行くって言ってたの、1時前後に着く予定。予定ね」 “はーい。ご飯は?” 「食べてく」 “分かった。気をつけてね” 「はーい」 ピッ… 「大丈夫、伝えた」 「よし、腹へったな」 私がスマホを持っているから手を繋げないせいで、お尻に彼の腕が…手が…?手を繋げないせいか? 藤司と付き合っていることは、会社を辞めると決めた時点で親に話をしてある。いま、私が藤司の事務所にいることも言ってある。 彼は引っ越しをしたけれど、私はまだハイツにいるまま…明日、両親に一緒に住むと伝えるんだ。 「のんちゃん、おかえり。先生も」 「ただいま〜」 と言う私の後ろで 「またついで…」 と藤司がボヤく。 「遅くないか?残業させられてんのか?」 「そーでもないよ、おっちゃん。ビールと、わぁ…里芋とあたりめの煮物だ。それ大盛りでお願いします」
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