ルキ ②

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「俺と結婚してください」 「ふふふ……いいわよ。その願い、叶えてあげる!」 「ありがとう!!」 俺は有頂天になったが、ふと、真由美の方の願いを叶えていないことに気がついた。 「俺は王子様ではないけれど、名前が白馬(はくば)琉季(るき)だから、苗字だけ白馬の王子様ってことで許してくれないか?」 「うふ。私の魔法はちゃんと効いていたの。あなたは初めから、白馬の王子様だったのよ」 「どういうこと?」 「だってね、琉季(るき)。あなたの名前の漢字、よ~く見てみて。漢字の中に『王子』って入っているのよ。だからね、あなたは白馬の王子様だったの」 「あははは……自分でも気づいていなかったけど、言われてみればそうだね」 「漢字だけじゃないよ。いつもデートの時、しっかりエスコートしてくれて、琉季はいつだってステキな王子様よ」 俺の顔は真っ赤になった。 「おいおい、褒め過ぎだよ」 「あら、そうかしら? 私は悪魔よ。だからね、あなたの願いは叶えてあげるけど、その代わり『契約』が必要ね」 「そっか。やっぱり悪魔はただでは願いは叶えてくれないか。で、条件はなんだ?」 「私と結婚したいという琉季の願いは叶えてあげます。その代わり、あなたの魂をいただきます。それが契約」 「魂か……」 「そう、あなたの魂は一生、私に捧げなさい。一生、私を大事にしなさい。それが悪魔(わたし)との契約」 「はい。喜んで契約させていただきます」 俺は用意していた婚約指輪を取り出すと、真由美(悪魔)の薬指にはめた。 悪魔に魂を捧げ、俺は幸せな人生を手に入れたのだった。 < 了 >
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