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悪魔
* * * * *
私は儀式の準備をしていた。
鏡はピッカピカに磨き上げた。
お香も炊いた。
さて、始めるとするか……
私は、魔法のおまじないの本に書いてあった通りに儀式を行った。
そして、願った。
「私を迎えに来てくれる、白馬に乗ったステキな王子様に出会えますように……」
すると、鏡の中の私が消えた!
これは……!
私は魔法を使えたのであろうか。
鏡には私の部屋ではない、どこか別の部屋が映っている。
そして、その部屋には一人の男性がいた。
この人が、私の望んだ白馬に乗った王子様なの?
どう見ても、モテなさそうな、しけた感じの男だ。
私は幻滅した。
鏡の中の男は、私にこう言った。
「……あの……悪魔……ですよね?」
悪魔?
いやまぁ、確かに私はそう呼ばれているけど……
初対面の人に言われるとは思っていなかった。
「アンタ、誰? なんで私の名前、知ってんの?」
「え? いや、あの……悪魔召喚の儀式を行った者です……」
「へぇ~、私を呼び出す儀式なんてあるんだ」
悪魔召喚だから、私が召喚された。
なるほど! そういうことか。
ところで、私を呼び出したこの男は、いったい誰なのだろう。
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