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次の日に儀式をやり直してみた。
すると、ルキが鏡に映った。
はぁ……
なんでこうなるの。
こうして、私は毎日毎日、儀式をしてみたが、鏡に映るのはいつもルキだった。
だいたい、悪魔を呼び出して願いを叶えてもらおうとするやつなんて、楽していい思いをしたいってことだから、ろくでもないやつなのよね。
とは言っても、私だって魔法を使って婚活しているんだから、ルキと私は同じようなものかもしれない。
ルキと毎日おしゃべりをするようになり、それはそれでなんだか楽しかった。
ルキと鏡越しに話す時間が、私にとって癒やしの時間になっていた。
ある日、ルキは言った。
「え~っと、3つめの願いを言うよ。『かわいい彼女が欲しい』」
「はははははは……」
私は笑い転げた。
私もルキも、ステキなパートナーが欲しいという願いは同じなのね。
でも、私に向かって「彼女が欲しい」って言うってことは、私を彼女にしたいという気はないのね。
それはそれで、なんだか腹立たしいというか、悲しいというか、複雑な気持ちになった。
3つめの願い、それはあなたと付き合うこと、な~んて気の利いた願い事はしてくれないのかしら。
ん?
これって……
私はルキのこと、好きになっていたのかな?
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