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ルキ ②
* * * * *
俺は毎日、悪魔を召喚し続けた。
願いはまったく叶えてくれなかったけど、悪魔と話をするのはやはり楽しかった。
お金も名誉も、悪魔はくれなかった。
かわいい彼女だってくれなかった。
だから、結局のところ、俺はしっかり働いてしっかり稼ぐしかなかった。
悪魔の召喚をするようになってから、俺は前よりも成長した気がする。
出世して、給料も上がった。
地位と名誉も手に入れた。
これって、悪魔のおかげなのだろうか。
3つめの願い。かわいい彼女が欲しい。
真由美さんを彼女にしたいです! と言いたかった。
けれど、恥ずかしくて言えなかった。
フラられたら、もう真由美さんに会えなくなるのではないか。
それが怖かった。
悪魔の真由美さんは、俺にいろいろと教えてくれた。
同僚たちは、俺がかっこよくなったと褒めてくれた。
また、なんとなく女性社員からモテるようになった気もする。
けれど、俺はやはり、真由美さんのことが好きだった。
真由美さんと付き合いたい。
それが俺の、本当の願いであった。
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