ルキ ①

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「アンタ、誰? なんで私の名前、知ってんの?」 「え? いや、あの……悪魔召喚の儀式を行った者です……」 「へぇ~、私を呼び出す儀式なんてあるんだ」 悪魔は笑い出した。 なんだか、とっつきにくい悪魔だな。 悪魔は言った。 「アンタは誰なの? ひょっとして白馬の王子様? ……って、そんな感じでもなさそうね」 悪魔は、俺の顔をまじまじと見てくる。 なんなんだ、この悪魔は。俺が想像していた悪魔とは、だいぶんイメージが違う。 とはいえ、せっかく召喚に成功したのだから、願いを叶えてもらおう。 俺は言った。 「あの……願いを叶えてほしいんですけど……」 「なんで?」 「あなたは悪魔ですよね?」 すると、悪魔は不機嫌になって言った。 「なにそれ? つまり私が悪魔だから願いを叶えろと、そう言いたいわけ?」 「……はい、そのつもりですけど」 「……もうねぇ、それ、何度も言われているの。でさ、今回はアンタみたいな知らない人からも、それを言われるわけ?」 う~ん、なんだかやりにくい。 今どきの悪魔とは、こういうものなのだろうか。
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