9人が本棚に入れています
本棚に追加
現れたのは、真由美さんだった。
「またアンタなの?」
それはこっちのセリフだよ!
とも思ったが、儀式をしたのは俺だ。
なにか、手違いがあったのだろうか。
「すみません。悪魔召喚の儀式、ちゃんとやったつもりなんですけど」
「悪魔召喚の儀式をして私が出てくるってのは……ある意味、間違っちゃいないわね……」
え? そう言うってことは、真由美さんはやっぱり悪魔なのか?
「俺も、白馬に乗った王子様じゃなくてすみません」
「ふふふ……」
悪魔は笑い出した。
ちょっとウケたみたいだ。
俺は真由美さんと雑談をした。
相変わらず、この悪魔は願いを叶える気はなさそうだったが、俺の話はしっかりと聞いてくれた。
悪魔との会話は楽しかった。
今日の儀式も、悪魔となんら契約を結ぶことなく終わった。
最初のコメントを投稿しよう!