ルキ ①

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現れたのは、真由美さんだった。 「またアンタなの?」 それはこっちのセリフだよ! とも思ったが、儀式をしたのは俺だ。 なにか、手違いがあったのだろうか。 「すみません。悪魔召喚の儀式、ちゃんとやったつもりなんですけど」 「悪魔召喚の儀式をして私が出てくるってのは……ある意味、間違っちゃいないわね……」 え? そう言うってことは、真由美さんはやっぱり悪魔なのか? 「俺も、白馬に乗った王子様じゃなくてすみません」 「ふふふ……」 悪魔は笑い出した。 ちょっとウケたみたいだ。 俺は真由美さんと雑談をした。 相変わらず、この悪魔は願いを叶える気はなさそうだったが、俺の話はしっかりと聞いてくれた。 悪魔との会話は楽しかった。 今日の儀式も、悪魔となんら契約を結ぶことなく終わった。
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