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これはこれで、いいのかも知れない。
次の日も、その次の日も、俺は悪魔を召喚してはおしゃべりを楽しんだ。
初めて召喚した時は無愛想で不機嫌だった悪魔は、俺との毎晩の会話を通じ、だいぶん心を開いてくれるようになった。
ある日のこと、いつものように悪魔を召喚して話をしていると、こんなことを言われた。
「そういえば、悪魔に3つの願いを叶えてもらいたい、ってルキは言ってたわね。お金と名誉、でさ、3つめの願いは何なの?」
「叶えてくれるのか?」
「ふふふ……私は確かに悪魔って呼ばれているけど、私に願いを叶える力なんてあると思う?」
「まぁ、ないだろうね」
「なにそれ! はっきり言わないでよ!」
「え~っと、3つめの願いを言うよ。『かわいい彼女が欲しい』」
「はははははは……」
悪魔は笑い転げた。
「なんだよ、笑うなよ!」
「じゃあさ、女の子にモテるための努力をしなさいよ。まずは見た目の清潔感。これ、大事よ」
結局、俺は悪魔から「モテるための極意」をいろいろ教わることになった。
毎日、悪魔を呼び出しては、モテるためのレクチャーを受け続けた。
「髪型はね、もっとこうして、あと、服装は……」
* * * * *
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