最後に流れ落ちる星

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 星を眺めた数日後。一気に容態は悪化して、私は体を手放した。  唯一救いだったのは、最後の数分間は意識が朦朧として、あまり苦しくなかったこと。  家族が慌ただしく次々と病室を訪れて、声をかけてくれたり手を握ってくれたけど、その頃にはもう顔の判別がつかなかった。泣き叫ぶような声もした。そんな声が聞こえるたび、私も一緒に泣きたくなった。同時に、大切な家族をかなしませてしまったことに、ぬぐいきれない後悔や罪悪感がおそってきて、全然大丈夫じゃないのに「大丈夫」って言いたかった。  あの日の夜と同じように。    私は、この世界で「結菜」ではいられなくなるけれど。それは生きてる側からすれば、とてもかなしいことだけど。本当はすべて繋がっていて、たとえ死んでしまっても全部終わるわけじゃない。だから泣かなくて大丈夫。どうか、そんなにかなしまないで。  そんな想いがいっぺんに胸にあふれてくるさなか、当然のようにその言葉はひとつも声にならなかった。そのうち、スウッと体から魂だけが離脱した。
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