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皺だらけの両手を擦り合わせる祖父の傍で、横たわる亘。
「わ、亘!」
駆け寄った航は座り込み、亘の頭を膝に乗せるが、傷だらけでぐったりとした彼は反応を見せなかった。
凍る背筋、走る戦慄。
一瞬にして、航は崖の淵に追いやられた気分になった。
「亘、うそだろ……?」
まだ、8歳なのに。
「おい亘!目を開けろよ!」
まだまだ亘と、やりたいことがたくさんあるのに。
細やかな息。
それがもうすぐ途絶えてしまいそうで、航の瞳からは涙が溢れた。まだ懸命に生きようとしている亘の頬にはかからぬようにと上を向けば、空にはあの日と同じ、茜色が広がっていた。
「キュア、ヒル……」
呟くように、名を呼んだ。
「キュアヒルー!!」
二回目は、大きな声で名を呼んだ。
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