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 ひとりで悶絶していると、来客の知らせが入りました。なんと従姉妹の婚約者さまが屋敷にやってきたというのです。  まさかジェロームさまと従姉妹の仲をお疑いなのかしら。まあ、恋は盲目、あばたもえくぼと言いますしねえ。 「せっかくだから、一緒に行くかい?」  もちろんです!  ちょいちょいとジャンプして、ジェロームさまの肩に乗せていただきます。  道すがら従姉妹の婚約者さまのことを考えて、思わずため息をつきました。まあ、はたから見ればいつも通りちゅぴちゅぴ言っているだけなんですが。  従姉妹にはもったいないくらい誠実な方なんですよね。政略結婚かと思いきや、本当に従姉妹を大事にしているみたいで。  あんな従姉妹のどこがいいんでしょうか。婚約者がいるにも関わらず男漁りをする従姉妹を庇っているみたいですし、もしかして寝取られ願望のあるかたなのかしら。性癖が高度過ぎるわ。 「好きだからこそ、ただ必死に我慢している場合もあるね。その場合は、たががはずれたときどうなるかな」  さらりと怖いことをおっしゃるジェロームさま。我が家で修羅場とか止めてください。
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