1 添い寝するだけの不思議な関係

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「寝れそうですか~」 「……うん……――」  もにゃもにゃと返事が聞こえる。平和だ。今の桐は、ああいう下品な人間とは違う。清純で、紳士な男だ。わたしは静かに、シーツを胸元に手繰り寄せた。  桐は添い寝がないと寝れないけれど、わたしはぬいぐるみも抱き枕も要らないタイプの人間だ。  でも、背中に感じる彼の体温は嫌いじゃなかった。
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