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あの二人の間にある独特の空気。じゃれあう恋人でもなく、熟年夫婦という感じでもなく。もう一度年賀状に目を落とし、あれ何やったんだろなあ、とひとりごちた。
そうだ、姉弟。姉弟のような雰囲気だった。
「まあなんか切っ掛けがあったんやろ」
なんかが、なんなのか全然わからへんけど。
寒いし早よ部屋に入ろ。キンと冷える共用部を去ろうとしたとき、
「……あっ!」
カノジョは年賀状の一人を指さして、目を丸くした。
「この人知っとる。あれや、Kテレビの――」
「そうそうお天気お兄さんやよ」
「超有名人じゃん」
「やろ?」
「わたしそんな人と会ったことあったんやなぁ」
サークル――気象研究会の中でも一番のハンサム君や。そいつと俺は親友なんよ。妙に誇らしくなって、カノジョに「視聴率上げたってな」と笑いかけた。
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