浮気をしょっちゅうする彼氏の彼女ですが、運命の2人なので気にしません

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「もうここまでくるとさ、日常の一部のようにしか感じないのよ」  これはまぎれもない私の本心だ。  学生時代から付き合った彼氏と20歳になってから「別に愛したい人が出来た」と言って別れを告げられて早8年。もうこのまま彼氏が出来ないんじゃないか、愛されることなんて出来ないんじゃないか、と絶望していた時に私に声をかけてくれたのが陸斗だった。 『自由な付き合い、みたいなんしてみない?』  彼氏が出来るなら何でもよかった私はすぐに了承してしまい、深く考えることなくカップルとなった私と陸斗。その結果は、浅はかだった、と後悔するほどカップルとは言い難いお付き合いだった。  なんせ、初デートを誘った日に「ごめん、今日は伽奈(かな)ちゃんとゲーセンデート行くんだ」という返事が即座にきたのだから。  一瞬、私の常識が間違っているのか、と錯覚して数年間同じ職場にいて陸斗のこともよく知っている美夏に相談したら「ありえない!」と絶叫してくれたからひとまず疑問に感じた私は常識だと認識できた。結構な大きい会社で同い年の人が数名居る私たちの会社は、男女の比率は約半々。簡単に言うと、1クラス20人が3クラスずつある小学校ぐらいには会社のビルに総人数がいると思う。そのため、社内恋愛している人は多く、最早していて当たり前なぐらいだ。だから、廊下を歩いているといちゃついている人を見るぐらいに恋愛には緩い会社だが――  ――……まさか、軽い男で有名なのが陸斗だとは思わなかった  顔良し性格良し出世可能性大のいいとこどりの陸斗、現在30歳、私と美夏と同い年。  一応、2年付き合っていることになっていて周りも知っているのだが陸斗へアプローチする女性は絶えない。事務とはいえアパレル関連だからかお洒落で野心がある肉食女子が多いせいもあるのだろうが、それを全部OKしてひとまず付き合ってしまうのが私の彼氏、陸斗なのだ。 「この2年陸斗と一緒に過ごしていたんだけど、さ。彼いわく『可愛い女の子のお願いを断るなんて非情なこと優しい俺にはできない』、だとさ」 「……はぁ?……はぁ??……はぁああああ!?」
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