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ちょっとだけ大きくなって、私は小学生になった。
パパが用意してくれたランドセルはピンク色。ぴかぴかの大きなそれが、私の六年間のお供になるらしい。
「ハルカが気に入ると思ってな、ほら!」
私がわざとらしくランドセルに抱きつけば、パパは嬉しそうに私の頭を撫でるのだ。この時間が、この時間だけが大好き。
「なぁに?」
でも、今日はちょっと違う。私を驚かせようと、サプライズを仕込んでいるようだった。
「特別に、リスの刺繍を入れてもらったんだ!」
「あら、可愛い」
パパが私からランドセルを取り上げて、側面を見せてくる。ママもにっこり笑っている。
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