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 中学生になった。ウタちゃんとは相も変わらず仲良しでいれた。ウタちゃんは私を拒まないから。  どれだけ肩身の狭い思いをしても、ウタちゃんは私が呼べば、振り向くのだ。  ウタちゃんは何時もつまらなそうな顔をして、ぼんやりと授業を受けていた。ショートヘアーの髪の毛は、猫の毛みたいにくるくる巻かれている。天パ、なんだってさ。 「ハルカちゃん、ハルカちゃん」  ああ、沢山の金魚の糞。  私の唇、鼻、目、髪。特に顔、顔。私の顔のパーツ一つ一つをなめ回すみたいに見てくる糞達 が今日も私の周りを取り囲む。 「ほんとうに自然の二重なの~?」 「ヘアケア教えて!」 「お人形さんみたい。可愛い!」 「ハルカちゃん、可愛い!」 「本当可愛い! ずっと見てられる~」  可愛い。可愛い。可愛い! 
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