3.休日の甘い苺ジャム

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料理以外はてんで駄目だというのを、自分でよく分かっていた。それなのに家政婦の仕事を引き受けて、二週間も経たないうちにやらかす。お風呂で寝てしまったことだってそうだ。 「申し訳ございません。すぐに片付けます」 ガラス片を拾い上げビニール袋に入れる。 「素手で拾うな。怪我をする」 柳川さんが私の手首を掴む。私は人差し指の腹をとっくに切っていた。血が滲む指を見て、自分の出来の悪さに情けなくなるのだった。 「大丈夫です」 「大丈夫じゃないだろ」 柳川さんが私の手首を掴んだまま「水で洗い流せ」と、キッチンの流しへと連れて行く。私が指を水につけている間に、消毒液と絆創膏を持ってきてくれた。 柳川さんがガーゼで消毒液をつけてくれる。 「・・・ありがとうございます」 「絆創膏は自分で貼れるよな。皿の片付けはやっておく」 「お気持ちは嬉しいのですが、私自身で片付けさせてください。あの、それから・・・」 「なんだ」 相変わらず、柳川さんの瞳は鋭い。 「きちんと言っておかなければならないと思いまして。家政婦の仕事を引き受けたのは申し訳ありませんが、お金のためです」 「それが普通だろう。何もおかしいことではない」 「自分に家政婦が務まるのか自信がない中、月給に目が眩みました。私は、姑息な人間です」
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