第1話「姫菜、黒蝶の家に行く」

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第1話「姫菜、黒蝶の家に行く」

短編小説「紅の色-くれないの色-2黒蝶の秘密」登場人物紹介 ・朱井姫菜(しゅいひめな) 15歳  「紅の色」の主人公。魔女と人のハーフ、魔女見習い。 赤い髪と目の色がコンプレックスだったが、黒蝶に救われる。 ・黒蝶(こくちょう)レオ 15歳  魔法使い見習い、純血の魔法使い。未だ謎が多い少年。姫菜の良き友達。 ・朱井 亜矢音(しゅいあやね) 25歳  姫菜の姉。魔女と人のハーフ、魔女。 🌛・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・🌛 ここは、とある海の見える霊園。この町に引っ越してきてから朱井姫菜と黒蝶レオは、墓参りによく来ていた。 今日は休日で姉の亜矢音も一緒だ。 「お父さん、お母さん。あたし達は今日も元気にしてるよ」 姫菜、亜矢音、黒蝶は墓前で手を合わせた。 その時、スマホの着信音が突然鳴った。自分のスマホかと思い姫菜と亜矢音が確認する。 すると、「ごめん。俺のだ」黒蝶がスマホを取り出し耳に当てる。 誰からだろうと姫菜は、後ろを振り返り黒蝶を横目で見ている。 黒蝶は、うなずきながら話しをしている。 「ああ、うん。分かったよ。父さん」 どうやら相手は、父親らしい。一通り話し終わると、黒蝶は通話を切った。 一瞬考えた後、黒蝶は姫菜を見てこう言った。 「なあ、姫菜。良かったらこれから支度して、俺の家に来ないか?父さんがたまには、帰って来いって言っててさ」 「えっ、行く行く! どこなの? レオの家って」 姫菜がわくわくしながら聞くと、 「――魔法界さ!」黒蝶はにやっと笑った。 「黒蝶くんのご両親に失礼のないようにするのよ。」 「は~いっ!」 姫菜はおしゃれをして、亜矢音に黒蝶の両親に持っていく少し、高価な菓子を持たされて。 黒蝶の待つ、ひとけの無い路地裏へと出かけた。 ◇ ◇ ◇ 姫菜が路地の細い道へと入っていくと、開けた場所に黒蝶が、紙袋を持って待っていた。 「待たせてごめんね」 「おう、やっと来たな」 「これからどうやって、魔法界に行くの?」 姫菜が不思議そうに聞いてきた。 「ちょっと、待ってな」 黒蝶は、前に片手を突き出し呪文を唱えだした。 「――ラージャナ・ハマダラン・道の扉よ。魔法界へ連れて行け」 「―――マジック・ゲート!!」 ブオンッ! ◇ ◇ ◇ 突如、目の前に光の入口が出現して、姫菜と黒蝶は一瞬にして吸い込まれた。 まばゆい光が広がり次の瞬間、姫菜の前には不思議な世界が広がっていた。 空に浮かぶ島や宙を走る車。中世風の街並みなのにファンタジーの世界と科学をあわせたような美しい世界。 「わあっ、凄い! ここが魔法界なの!?」 瞳をキラキラさせて驚く姫菜。 「ああ、凄い所だろ?」黒蝶は、得意そうに笑った。 その時、メイド服を着た二人の幼い少女が目の前に現れ、黒蝶にひざまずいた。 「えっ、何? この子達! 突然現れたんだけど。この子達も魔女?」 姫菜がきょとんとしていると、少女達が同時に口を開いた。 「レオン=黒蝶=ブラックフィールド様、お客人の方。お迎えに上がりました。 国王様と王妃様が、お城でお待ちして、いらっしゃいます。」 二人は双子らしく、同じ顔をしており耳が横に長かった。 「ああ、ありがとう」黒蝶が少女達ににこりと微笑む。 05f79fc3-fdbb-45b8-89d4-4d5c92565840 主人公朱井姫菜(しゅいひめな)
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