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第4話「魔女の住む狂い咲きの森」
白き翼を背に持つ馬、ペガサスに乗り島に降り立つ、黒蝶達。
黒蝶と姫菜は、橋を渡り山道を歩いていた。
狂い咲きの森と、称されるように四季の草花や、樹木がいっぺんに生息している。
少しだけ、綺麗だと思ったが、その全ての季節を混ぜ合わせた気候や景色に
慣れていない姫菜は、感覚が狂うような気がしてめまいを覚えたが
黒蝶がずっと、手をつないで歩いてくれていたので、だいぶ救われていた。
◇ ◇ ◇
しばらく歩いていると、ヨウムが二匹。入口の門に止まっているのが見え、その中でも、ひときわ鮮やかな水色のヨウムが、声たかだかに、しゃべってきた。
「オヤマア! ブラックフィールドノ王子が来タヨ」
黒蝶が姫菜に怪訝そうな表情で、話し始めた。
「俺、ここ初めてじゃないんだ。前にも、世話になったことがあって」
姫菜はふんふんと、聞いている。
「でもな、ここの魔女。もとい女医先生。ちょっとな……」
と渋っていたが、覚悟を決めたようで。
「サラのためだ!」と黒蝶は、家の扉に近づくと、どんどんどんと三回ノックをした。
「先生――! ノエル先生――! 妹を診てください。」
「お入り」中から声がして、扉がひとりでに開いた。
背もたれのある椅子に足を組み、どっかりと座っていたのは、豊満な胸、ミニスカートをはき太ももをあらわにした、見た目が二十代くらいの女性。過度な色気で胸焼けしそうだ。
黒蝶は、目のやり場に困って片手で目をおおっている。
「先生、うちのサラを、妹を診て欲しいんだ!」
それでも黒蝶は、サラのために苦手な人物に頼もうとしている。
「フフ……。レオン王子。だいぶ、男っぽくなってイイねえ」
ノエルは、そう言うと、黒蝶にすり寄ってきた。
「うっ、やめ!」黒蝶は硬直して、動けなくなった。
その時、姫菜がカッとなり、助けに入った。
「やめて! レオが、嫌がってるでしょ!? こんな医者、こっちから願い下げだよ!他のお医者さんとこ行くよ。レオ」
姫菜は黒蝶の手を掴み、家から出ていこうとした。
その時、「お待ちよ。」ノエルが姫菜を止めた。
「何よ、いいって言ってるでしょ!」
「待て、姫菜。この先生、こんなだが、腕だけはいいんだ。」
「あんた、姫菜とか言ったね……。気に入った! お前達と行ってあげるよ。」
黒蝶と姫菜は、ノエル医師と共に城へ戻る事になった。
◇ ◇ ◇
再び、ブラックフィールド城に帰ってきた、黒蝶と姫菜は、ノエル医師にサラを診察してもらっていた。
しばらくして、部屋の外で、待っていた黒蝶達は中へと呼ばれ、王と王妃も呼ばれた。サラは、落ち着いて静かに眠っている。
「先生、娘の具合は、いかがでしょうか?」王妃が、心配そうに聞いた。
「そうですね……。サラ様の状態で、自宅での看護では、王室医師がついていても、限界があります。」
サラは、しばらくノエル医師が、勤務する病院に入院することになった。
黒蝶は、国王や王妃にまた、近いうちにサラの見舞いに帰ってくると約束して、姫菜と共に元の世界へ帰ることとなった。
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次回は、最終話です。
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