第19話(BL特有シーン・回避可)

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第19話(BL特有シーン・回避可)

 既に吐息を甘くした京哉に成長しかけたものを強く掴まれ、霧島は身を捩りながら京哉の躰を押し返そうとした。それでも京哉は強引に扱く手を緩めない。  京哉は無心に霧島を擦り続けていた。だが二晩連続でやらかした挙げ句、足腰も立たなかったのだ。霧島は喉の奥で喘ぎを押し殺しつつも逃れようとする。 「お前の躰……っく、いい加減に壊れてしまうぞ。だから、だめだ」 「嫌です。すごく、すごく忍さんが欲しい」  立ち上がり逃げを打った腰を抱き締められて、握ったものを素早く赤い唇に咥え込まれた。途端に霧島は身体中の血が逆流し、下半身に流れ込んでゆくような感覚に溺れる。 「あっ……う、京哉、やめ――」  口に含まれた切っ先を舌で擦り立てられ、敏感な部分に舌を巻きつけられて、眩暈のような快感に霧島は敢えなく浴槽のふちに腰を下ろした。一旦霧島を解放した京哉が完全に欲情して潤んだ目で脚の間から見上げてくる。濡れた唇をちろりと舐めた。 「お願いです、させて下さい」 「そこまでしておいて……好きにしろ」  本当に嬉しそうに微笑んだ京哉は愛しげに頬ずりをしてから、あっという間に勃ち上がり切ったものを深々と咥え込む。舌が巻きつくたびに霧島は思考が蒸発するような快感に襲われた。息を荒くしながら浴槽のふちを掴んで急激な昂ぶりに耐える。  巧みすぎる舌づかいで快感が押し寄せ、痛みのような疼きが腰に溜まってゆく。  奥歯を噛み締めて堪えたが呻きを押し殺すことができない。 「うっく……京哉、そこは……ああ――」 「んんぅ、っん……ぅうん、んんっ!」  太すぎるものを口いっぱいに頬張った京哉も昂ぶりは同じらしく、喉の奥で甘い喘ぎを洩らしていた。そうしながらも休むことなく舌を使い、霧島を追い上げてゆく。口内で太い茎を擦り立て、張り詰めた切っ先を舐めしゃぶり舌を突っ込んだ。 「京哉、もういい、やめ、許してくれ……京哉!」  巧みな舌づかいに翻弄され、霧島は叫ぶように名を呼びながら薄い肩に両手を掛けて腰を突き上げないよう身を反らせた。京哉が音を立てて蜜を啜る。分かっている、京哉は霧島をその気にさせたくて堪らないのだ。何故かまた受け入れたいらしい。  もう本当に堪らなくなって霧島は理性をとばしそうになった。そこで強引に己を引き抜くと洗い場に出て京哉の腕を強く掴み壁に押しやる。  両手を壁につかせ京哉の後ろを押し広げ、蕾に舌をねじ込む勢いで舐めしゃぶり始めた。暫くすると硬い蕾が緩んでくる。容赦なく舌先を捩じ込み突っ込んだ。京哉は壁に爪を立てる。 「んっ、あっ……忍さん、そんな……ああっ!」  否応なく舌を差し込み京哉を甘く鳴かせた。唾液を送り込みながら挿しては抜く。存分に舐めねぶって緩ませると随分と舌が入るようになった。粘膜にまで舌を届かせてから今度は指を挿し入れる。抉るように掻いた。指の根元を揺らして拡張する。 「はぅんっ……や、あん、もう、下さい!」 「まだだ、まだやらん。待て」  高い喘ぎを聞きながら感情を消して低く言う。だが本当は一刻も早く包まれたくて性急に数指を咥え込ませてこじ開けていた。京哉は霧島の長い数指を閉じ込めたまま夢中で腰を振っている。欲しがる京哉に堪らない愛しさと欲望を感じ執拗に嬲った。  入り口を広げ、粘膜を指先で押しつつ、敢えて素っ気なく訊く。 「このまま、これでいくか?」 「やだ、っん……中に、中に熱い忍さんが欲しい!」 「そうか。だが、悪いが今日の私は覚悟がいるぞ」  全ての指を抜いてから霧島は張り裂けんばかりに滾ったものを京哉に見せた。目にした京哉は息を呑む。その気にさせられ続けて殆どリミッタの外れた状態の霧島は、通常の行為なら恐怖感を覚えるくらいにまで成長させていた。  だが京哉は再び壁の方を向いて両手をつくと、薄い肩越しに振り返って誘う。 「いいから欲しい……壊されたいんです」  その言葉は霧島の中の何かを弾いた。緩めたばかりの京哉に切っ先をじわじわと埋めて己の太いものが華奢な躰に咥え込まれる様を堪能する。太すぎて苦しさに細い身が軋み、身を折りそうになった。しかし霧島は許さず細い腰を抱いて支える。  余りの太さで京哉は苦しいだろうが、きつく巻きつき締めつけられて霧島は呻きを耐えるのに必死になるほどの快感を味わっていた。思い切り粘膜が包み被さって、ゆっくりと挿し込んでゆくだけで擦り上げられ、もう放出してしまうのを堪えるのに必死となる。  霧島はじっくり時間をかけて京哉の奥まで挿し貫いた。斜めから覗く京哉の仰け反らせた喉が咬みつきたいほど白い。それを目に映しながら動いたものか迷った。 「お願い、だから、貴方の好きにして……動いて。僕の中に、出して」 「くっ! もう我慢できん。思い切りするからな!」  きつく絡みつく粘膜を引き裂くかのように、霧島は最初から激しく腰をスライドし始める。半ば強引に掻き混ぜていると、京哉の方が粘膜の張り詰めた状態に慣れたのか、霧島の動きに合わせて細い腰を淫らに前後させては振り出した。酷く快感が高まる。 「くっ……京哉、そんなにするな!」 「だって……ああん、止まんない、貴方が太すぎるから!」 「言ったし、見せた筈だ。受け入れたのはお前で……あ、あうっ」  急に大きく細い腰をグラインドされて霧島は呻いた。どう仕返ししてやろうかと思ったが、京哉は痛々しいまでに壁に爪を立てて縋っている。  その全身からは妖艶なまでの色気が溢れていて、思わず霧島は目前の白いうなじに咬みつき歯を立てた。そして膝が震えている京哉の片足を持ち上げると更に深々と己を突き立てる。  僅かな隙間も許せない思いで奥まで挿し貫き切っ先で内襞を擦っては掻き回した。 「はぁんっ、いい……忍さん、すごい、気持ちいい!」 「私もいい、お前の中、最高に気持ちいいぞ!」  淫らな粘性の水音と喘ぎ声がバスルームに響いて充満している。白い躰にのめり込んだ霧島は二人分の快感を生み出すことしか考えられなくなっていた。抱いた京哉が熱かった。  背後から粘膜を犯し掻き回し斜めに覗き込むと京哉の目からは涙が溢れ出している。思わず細い腰を支えた腕を緩めてしまい、京哉は崩れ落ちてそのまま這った。それでも振り返り微笑む。  けれど霧島は僅かな赤い色を見て、なけなしの理性を総動員し京哉に言い聞かせた。 「だめだ、京哉。お前を壊す。もう壊しかけている。我慢してくれ」 「いや、いやです! それくらい今までも……お願い、いかせて!」  本当に何が京哉をそこまで求めさせるのか分からず、霧島は困惑するばかりだったが、泣いて叫ばれては腹を括るしかないだろう。いつもと比べて激しいことはしていないので、おそらく出血はここ数日の連続した行為に依るものと思われた。しかし京哉はこのままでは納得しない。  なるべく捩らないよう、だが霧島は思い切り京哉の体内を貫き擦り始めた。細い腰を手で掴み、存分に擦過してから、次には太すぎるものを押し込む。  もう京哉は腰を掴んでいないと震えて姿勢を維持できないほどだった。 「忍さん、もう僕、だめ……はぅんっ!」 「分かった、いかせてやる!」  右手で京哉の熱いものを包み込んだ。腰の律動に合わせて強く扱く。きつい締めつけに耐えて躰同士を叩きつけるように抽挿入した。同時に霧島の疼きも溢れ出す。 「忍さん、もういく、出ちゃう……あ、あうっ!」 「くうっ……京哉、出すぞ……うっく――」  途端に膝が萎えて横ざまに倒れそうになった京哉を霧島は抱き支え、冷えてしまった躰を温めるため、かけ湯をしてから湯船に浸かった。  京哉が温まった頃合いを見て湯船から上がり、京哉を抱いたままバスルームから出た。
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