第47話(BL特有シーン・回避可)

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第47話(BL特有シーン・回避可)

 二本目を開けようとして京哉に手を押さえられた。 「何だ、どうした京哉?」 「どうしたじゃありません。忍さん。欲しいなら抱いて下さい」 「いい……のか?」 「何を言ってるんですか、僕だって貴方が欲しいのに」 「そうか、京哉……私の京哉!」  細い躰をすくい上げて横抱きにした霧島は、シャワーを浴びることも忘れて寝室に向かい、ダブルベッドに京哉を投げ出しのしかかった。  既に脳内は白熱して京哉の体内に身を埋めることしか考えられなかった。柔らかく温かく狭いそこに挿れたくて堪らず、辛うじて互いにスーツだけ脱ぐと、あとは全てを引き裂いて晒させる。  気付くとブレナムブーケの匂いの中で、象牙色の肌を京哉の白くきめ細かな肌に擦りつけていた。蜜で濡れたものを二度、三度と擦っただけで疼きは耐えがたくなる。 「あっ、く……いく、だめだ、あうっ!」 「んんぅ……忍さん、今度は僕の中に、頂戴――」  言いつつ霧島の放った熱を我が身に擦りつける京哉は堪らなく淫らで、霧島は気高い神の花嫁を汚し抜きたい思いに駆られ、硬く勃ち上がったままのものを自分で扱き出す。  相変わらず太すぎるものを目を瞠った京哉の前で擦り上げた。反り返ったものを押し下げ痛いほど張り詰めたものを京哉に見せつつ扱き上げる。京哉が訊いた。 「僕に……忍さん、僕にくれないんですか?」 「幾らでもやる……こうしてな」  膝を立てて開いた京哉の脚の間に位置した霧島は、思い切り迸らせて京哉の胸から前髪まで汚していた。とろりと垂れた欲望が京哉の鼻梁を伝い、口元まで流れ込む。  生温かいそれを京哉は赤い舌で舐め取った。そうしてあと一度、己で出して京哉を汚した霧島は指を濡らす。けれど京哉は切なく吐息を乱し灰色の目を覗き込んだ。 「いいですから……そのまま入れて。貴方、堪らないんでしょう?」 「傷つけたくない……っく……だが、すまん、京哉!」  我慢できずに霧島は再びのしかかると、滾った太すぎるものを京哉にあてがう。そのまま身を仰け反らせた。見下ろすと京哉は目を瞑っていたが、その目尻からは涙が流れ出している。  九天の作用か霧島は痛みを感じなかったが、いつにも増して張り詰めたものを馴らしもせず挿入され京哉はかなりの痛みを堪えているに違いなかった。 「すまん、京哉……許して、耐えてくれ、京哉!」 「構わ、ないから、もっと……貴方の全部が、欲しい!」  それでも霧島はたびたび途切れる理性を何とか繋ぎ止めながら、可能な限りゆっくり京哉に身を埋める。太すぎる切っ先を呑み込ませ、張り裂けそうなものをせり上げて、華奢な躰には酷なほど膨れ上がった全てを収めると急激に昂った。  思考が白飛びするような感覚を味わい、気付くと激しく腰をスライドさせてしまっている。 「んっく、ああ……いい、京哉、最高だ……京哉!」 「好きなだけ、僕を……僕を汚して! あっふ!」  痛みに耐える京哉はその痛みこそが切なく嬉しかった。霧島が体内でもう達したのが分かる。こんなに霧島を悦ばせる自分が誇らしかった。躰に直接響く低く甘い声に酔わされ、次には霧島の放ったもので濡らされた粘膜が眩暈のするような快感を生んでいる。 「忍さん、あ、あっ、あっ……だめ、いっちゃう!」 「私も、一緒に、いくからな! くっ、あ――」 「ああんっ、や、あん……出ちゃう……はぁんっ!」  弾けさせると同時に京哉はあまりの快感に上下感覚も失くし霧島にしがみついた。霧島はそのまま腰を律動させつつ京哉の首筋に文字通り咬みつく。  衣服を身に着けても見える処を咬まれて京哉は身を捩った。だが霧島は許さない。食らいついたまま吸い上げる。そうしてありとあらゆる処を咬み、吸い上げながら激しく京哉を攻めた。 「京哉……私の許に戻ってくれ……京哉、京哉!」 「ここに、僕は……いる、から、忍さん……大、丈夫」  言葉で宥めても霧島は聞き入れない。華奢な鎖骨から首筋を歯型と赤いあざだらけにして、なお霧島は京哉に己の証しを刻み込み続けた。そうしないと安堵できないという風に。  その間にも京哉の内襞を抉っては掻き回している。もはや霧島が必死で繋ぎ止めていた理性も吹き飛ばしてしまったことに京哉は気付いていた。 「怖かったんだ、京哉……何処にも行くな、ここにいてくれ!」 「安心して……はぅんっ! 僕は、ここにいる、から……はぁんっ!」  自分の声が届くことを祈りながら京哉は暴風雨のような攻めに耐える。だがそんな攻めでも霧島の天性のテクニックは活きているのだ。堪らなかった。  身を返されて這わされ背後からも攻められる。激しく擦られ堪えようもなく京哉はシーツに欲望を零した。殆ど同時に霧島から背筋を温かく濡らされる。 「んっ、好きなだけ……汚して! もっと、もっといっぱい……ああんっ!」 「汚している、こんなに……私のものだ……京哉、誰にも、神にも渡さんからな!」  また身を返されて思い切り脚を開かされ、萎えを知らないものを打ち込まれた。  天井のLEDライトが煌々と照らす中、京哉はもう勃たせるまでもなく感覚だけ味わい、何も零せなくなっている。それでもまだ霧島は取り憑いた疼きに悶え、衝動を京哉にぶつけることしかできない。  そうして長い長い時間が経ち、京哉は霧島の上に乗せられて揺さぶられていた。真下から貫かれて、京哉は深さも加減できない。 「あふっ! 忍さん、愛して……んっく! あぅんっ!」 「私も愛している、京哉! もっと愛させてくれ!」  仰臥した霧島は京哉の細い腰を両手で掴んで離さない。そんな状態で突き上げ、こね回されて京哉はもう何度か意識をとばしては、揺さぶられて目を覚ますことを繰り返していた。  体内の全てが霧島でいっぱいに満たされている。自ら動けないくらい苦しいのに霧島は更に奥へと揺さぶり届かせた。  だが一際激しく突き上げられ奥にまで届かされてたっぷりと放たれた途端、京哉はもう何度目だか分からない、痛みのような感覚を覚えながら意識を暗転させ、霧島の上に頽れる。そんな京哉を抱き締めた霧島は京哉の白い喉に歯を立てた。  喉を食い破ってしまう寸前で我に返る。まだ欲しい気持ちはあったが我慢できないほどではない。それより京哉だ。霧島を咥え込んだまま上に倒れた京哉を抱いてそっと隣に寝かせる。京哉は全く目を覚ます気配がない。 「京哉……京哉、しっかりしろ!」  焦ったのは失神させてしまっただけではなく、シーツに点々と赤いものが散っていたからである。慌てて意識のない京哉の躰をチェックすると、やはり傷つけてしまっていた。  だが霧島も似たり寄ったりで酷使した己が結構痛んでいる。どちらの血だか二人分だか判然としない。おまけに京哉は全身を霧島の欲望に漬け込んだかのような状態だった。我ながら呆れる。  そこでライティングチェスト上のデジタル時計を見ると十一時過ぎだった。二十三時の間違いかと思って二度見したが、窓から差し込む冬の陽射しが眩しい。 「すまん、京哉」  呟いて救急箱とミネラルウォーターを取りに行こうとベッドから滑り降りると、足腰が悲鳴を上げて膝が崩れそうになる。壁伝いに歩いて何とか目的物を手にするとベッドに戻り、救急箱を掻き回して抗生物質入りの傷薬を京哉の体内と己の先端に塗り込めた。  いつもならこのあとシーツを替えたり、京哉の躰を拭いたり、パジャマを着せつけたりと忙しいのだが、今日に限っては全てパスして京哉の隣に横になる。  とてもではないが動くに動けなかった。それだけではなく、やっと自分の許に京哉が戻ってきた気がして離れたくなかったのだ。ブルーの毛布を被って京哉を抱き締める。  すると京哉がうっすらと目を開いた。愛しくて堪らない声を聴く。 「ん……忍さん?」 「目が覚めたか。この水だけ飲んで寝てくれ、脱水症状を起こすと拙いからな」  身を起こしてミネラルウォーターを口に含み、霧島は口移しで何度も京哉に水を飲ませた。それでようやく京哉は喋れるようになったらしいが声は酷く嗄れていた。 「忍さん、僕は貴方の傍にずっとずっといますから」 「分かっているから、無理して喋るな」 「でもこれだけ言わせて下さい。僕は神の花嫁になったんです、貴方という神の花嫁に。あのとき僕は忍さんのことだけを想って舞ったんですよ。だから……」 「そうか。こんなに不埒な神で悪いが……もう一度だけ、いいか?」
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