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エピローグ
翌日、誠は近所のとある家を訪ねていた。
玄関の扉を開けて出てきたのは里緒である。
例の件があってから、こうして訪ねてくるのは初めてだ。
「誠…どうしたの?」
相変わらず目を伏せて、スカートを握りしめている里緒の左薬指には、何もない。
「里緒」
誠は、里緒の両手を取って、しっかりと握る。
「話があるんだ」
おずおずと上がる視線を、メガネのない、目でしっかりと捕まえた。
「大事な話があるんだ…だから、聞いてくれる?」
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