エピローグ

1/1
前へ
/7ページ
次へ

エピローグ

 翌日、誠は近所のとある家を訪ねていた。  玄関の扉を開けて出てきたのは里緒である。  例の件があってから、こうして訪ねてくるのは初めてだ。   「誠…どうしたの?」  相変わらず目を伏せて、スカートを握りしめている里緒の左薬指には、何もない。  「里緒」  誠は、里緒の両手を取って、しっかりと握る。  「話があるんだ」  おずおずと上がる視線を、メガネのない、目でしっかりと捕まえた。  「大事な話があるんだ…だから、聞いてくれる?」                   
/7ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4人が本棚に入れています
本棚に追加