運命の赤い糸

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岡田はイケメンなんだけど、何か好きになれないところがあるんだ。 何をやるにも中途半端感があって「だりぃ」とか「めんどくせぇ」とか言っているのを聞くと、うんざりするんだよね。 でも、ここで岡田の誘いを断れば、空気が読めないだとかノリが悪いとか言われてしまうから、 「いいね、行ってみたーい。もちろん岡田のおごりでね」 一瞬引きつった笑顔になった岡田だがデートの約束を取り付けた喜びの方が勝り、 「よしっ、決まり!んじゃ、今日の放課後昇降口でな」 人差し指を私に向けて意思を確認すると颯爽と仲間たちの所に戻って行き、みんなとハイタッチしている。 「なに、美男美女カップルの誕生ってか?」 ニヤニヤ顔で樹里が揶揄(からか)ってくる。 「そんなんじゃないって。ラテアートおごってもらうだけだから!」 必死になって否定すれば逆に嫌味に聞こえてしまい樹里を苛立たせるだろう。 彼氏でも作ってしまえば、こんな(わずら)わしい思いをしなくて済むのだろうが、良い相手がいない。 一応、岡田の小指の赤い糸を見てみるが、私とは繋がっていない。 赤い糸と言えば……。
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