運命の赤い糸

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一階のリビングに降りていくと誰もいないダイニングテーブルに朝食が用意してあった。 お父さんはいつも通り朝早くに会社に向かっているのだろう。 私が自分の席に着くと「おはよう」と洗い物をしているお母さんから声を掛けられた。 その小指からは赤い線が家の外に向かって伸びていた。 「お母さん、おはよ。ねえ、この赤い線ってなに?」 私は左手の小指を立てて見せながら問いかけた。 「え、何の事?あんた、まだ寝ぼけてんの?学校、遅れるわよ、早くご飯食べなさい」 後から来た中学三年の弟にも赤い線が見えるか聞いてみたけど「何の事?」と、見えていないようだった。
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