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8.エピローグ
ほどなくして、香子は、一条天皇の后でもあった藤原彰子に仕えることになり、「紫式部」と呼ばれることとなる。
かの有名な「紫式部日記」には、清少納言について触れた、有名な一文がある。
「艶になりぬる人は、いとすごうすずろなる折も、もののあはれにすすみ、をかしきことも見過ぐさぬほどに、おのづからさるまじくあだなるさまにもなるにはべるべし。そのあだになりぬる人の果て、いかでかはよくはべらむ」
(感性を売りにしちゃって、普通ならゾっとするようなことですら、やれ素敵だの感動だのと騒ぐから、中身がすっからかん。その中身がなくなってしまった人の成れの果てが良いわけないっしょ)
もしかしたら、あの活き活きとした炎上の日々を懐かしみ、ともすれば微笑みを浮かべながら、書き記したものなのかもしれない。
ー完ー
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