思い出すと

2/3

2人が本棚に入れています
本棚に追加
/7ページ
 いや、だけど、私だって彼とは色々あったんだぞ!と言いたい。  恥ずかしくて、誰にも言えやしないけど…  不器用だった彼とは、商談前には作戦会議の為にカフェにも行ったし、同行後にはファミレスで反省会だって開いた訳だし。  今考えると、あれ、ホントは凄く楽しかったな…  思い出すなぁ~  運命を少しだけ感じてたんだけど…  1年が過ぎ、彼が私の元から離れた後も相談に乗ったりもしたし。  私がビール好きなことと、気持ちを探られない様にと言うことで、雰囲気のない居酒屋が主だったけど。それでも、一応さりげないお洒落はしたんよね、私だって。  いや~でも一番の思い出は、彼が私の元を離れる少し前にのことだなぁ。  彼が担当していたあの大トラブル物件を二人で必死に解決して、その夜にお疲れ様会をしたっけ。  必死に何度もお礼を言う彼と空が明るくなるまで飲んだっけなぁ。  飲むだけ飲んで、結局、ハグをしただけで終わってしまったあの夜。  もう少し強く引き寄せて、天下の宝刀自慢の胸を××していれば、もしかして…  いやいや、流石にそれが出来るような度胸があれば、私の運命だって…だよね。  二人が付き合い始めたのは、その後だったのだろうか?  多分、後のような気がするけれど…  でも、だったらそっか、そういうことになるのか…  あの時、お互いフリーにも関わらずハグであっさり終わった私は、最初から選ばれてないだけってことなんだよね。  年上のおばさんなんて眼中になかったてこと?  4歳しか違わないけど?  私は、勝手に浮かれて、頑張って舞ってただけってこと?
/7ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加