パンデミックの世界で

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 俺は、コーナーの棚に一目散に向かった。  !?!?  俺はその棚を見て愕然とした。  薬という薬が無いのだ。  置いてあるものと言えば、目薬とか痔の薬…うがい薬くらいなものだった。  「何でだよ!」  俺は込み上げてくる怒りをどこにぶつけて良いかわからず、薬棚の広告のポップをカシャガシャと外して床にたたきつけた。  床に落ちたポップの"お詫び"の文字が目に飛び込んできた。    "各ドラッグストアにて、海外からのお客様によるの影響により、在庫切れが相次いておりますことお詫び申し上げます。また、入荷の目途はいまだたっておりません。ご理解いただけますようお願い申し上げます。"  「クソ!爆買いなんて…他の店にもないってことなのか?ここまで来て…ダメなのか?」    ジュジュに向かって言ったつもりだったのだが、気がつけばいつの間にかジュジュの姿はなくなっていた。  俺は諦めずにスマホで近くのドラッグストアを検索した。すると、ここから1キロ圏内に小さな個人経営の薬局をマップ上で見つけた。  ストリートビューで確かめると、古びた店の表窓に薬屋でお馴染みのカエルがニッコリ笑っていた。  「今、お前に会いに行くからな…待っとけ!」  俺はカエルにそう言って、警報音が鳴り響くドラッグストアを後にした。      
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