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「クレカの明細を見たらわかるでしょ、東京の人たちと飲んだと言っているのに、会社の近くの店でカードが切られていたり。取引先の接待といいながら、明らかに二人の分の額だったり。百合からの写真をもらってからの方がよっぽど違和感は大きかったわよ」
私は一息ついた。久々にこんなにたくさん喋ったかもしれない。でも今日はもう我慢しない。
宏斗は動揺しているが、百合の表情は変わらない。
「それは証拠にはならないから一応探偵も雇ったけどね。あなたたちが日にちを教えてくれているから探偵代は安くついたわ、ありがとう。関係ない人と写真撮ってもらって、大変じゃなかった?」
私は鞄から写真を何枚か出した。二人がホテルに入っていく姿もあるし、隣の席のおじさんグループに話しかける様子もうつっていた。きっと一緒に写真を撮ってほしいと依頼していたのだろう。
二人は返事をしてくれないので、私も続けることにした。
「それで二人はどうしたいの?わざわざ妻である私にこんな話をするなんて、何か言いたいことがあるんでしょう?」
「その……申し訳ない、別れてほしい!」
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