記憶蘇生薬

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 昼休みになり、体育館の裏に行くと、すでに、さやかと太一が待っていた。 「なぁなぁ、どういうことだよ」  やめろという理由を聞きたかった。太一がこちらを見て嫌な顔をする。 「健斗、つけられたな」  振り返ると、さっと建物の裏に隠れる人影があった。やがて、そーっと、みゆきが顔だけのぞかせた。 「みゆき、なんの用なんだ?」  僕が怒ったように言うとみゆきが建物の陰から出てきた。 「取材よ。クラスのみんなは知る権利があるわ」 「健斗、邪魔が入った。解散だ」  太一はそう言うと、手をひらひらと振って教室の方へと戻っていった。さやかが、一瞬遅れて慌てて後をついていく。僕は、チェッと言ってみゆきをにらんだ。なんで、薬をやめろって太一が言うのか聞きたかったのに。  みゆきは僕をにらみ返した。  午後の授業中に、僕は太一に手紙を書いて渡そうと思った。 『なんで、あの薬を飲んじゃダメなんだ? 今朝、青い顔をしていたけど関係あるのか?』
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