魔女の薬

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 顔をあげると、少女と目が合った。  少女の猫のような目が妖しく光る。  私はまるで催眠にかかったかのように、薬を口にした。  この薬さえ飲めば。    体が火照って来て、肌がピリピリする。  きっと若返ってきているのだろう。  十代の、誰もが羨む美しい盛りの頃に戻るのだろうか?  何だか頭がぼぅっとして、視界が霞んできた。  私は、無条件で愛される存在になれるのだろうか?  私は――。
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