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彼女はトイレを出て、自動販売機でジュースを買う。
列車に戻ると、洋助が先ほどの席に座っている。
彼は明恵に気づいて、手を振った。
明恵は彼にジュースを渡す。
「さっきお茶飲み終わったみたいだったから」
「俺の好きなジュースじゃん、ありがとう!」
彼はそれを受け取り、プシュッと開ける。
「あの、離ればなれになってもわかるように連絡先交換しときませんか?」
「そうだね」
出発のアナウンスが流れた。
「ようやく出発か。楽しみだな」
彼の笑顔を見て、明恵も笑顔になる。
「やっとですね」
列車が動き出す。
「やっと始まるね」
明恵は小さな声で繰り返した。
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