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席から立ち上がって、まだ、洋助の姿が見えないことを確認すると、彼女は電車を降りた。
トイレを探す。ちょっと離れたところでそれを見つけ、個室に入る。
彼女は再び携帯を開いて、写真アプリを立ちあげる。
写真フォルダーが並ぶ。
「彼氏」というフォルダーのサムネイルにはコーヒーカップに乗る洋助が表示されている。
明恵はその下にある「研究(リード写真)」というフォルダーを開く。
すると、四人の女性の写真が並ぶ。一番上には鎖で繋がれた全裸の女性の画像が四人分。その脇には住所、名前など個人情報が書き込まれている。
その中の一枚、「4番口止め」という名前の画像に写っているのは、先ほど洋助が眺めていた写真の女性だった。
明恵は画面をスクロールする。
四人のことを詳細に記録した写真が並ぶ。
彼女は一つの写真を拡大表示した。
それは、上にあった写真の女性たちの鼻や口、目や耳など顔のパーツをコラージュした美しい女性の顔だった。
彼女はそれを念入りに見つめる。それから、手鏡を取り出し、それを覗き込む。
鏡の中で、コラージュ写真と同じ顔が笑っていた。
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