9人が本棚に入れています
本棚に追加
大人になるとはそういうことにゃのかもしれにゃいにゃ~
「うるさい!私の人生なんだからほっといてよ!!」
バタンッ!と自室の扉を閉める。
大学3年生の私は就職するか大学院に進むかの岐路に立っていた。
就職するにしてもまずどの企業のインターンシップを受けるのか、
もしくは教職課程を履修しているから教員採用試験に向けて勉強するのか。
大学院に進むという選択が頭にあるのは、このまま社会人になるのにはあまりにも不安ということがある。
親は絶賛大学院進学派である。
学歴が全てとは言わないが、大学院を卒業しているとベースの給料が高くなったり、働き口が増えたりするという理由からだ。
私も大学院進学のメリットとして考えている部分は親と同じなのだが、娘の私に考えを押し付ける親のスタンスが気に入らない。
子どもを自分の操り人形とでも思っているのだろうか。
そんな風に感じてしまうので、つい反抗的な態度をとってしまう。
「ちょっと!話まだ終わってないよ!!」
扉の外から母親の声が聞こえる。無視だ、無視。
「全く……そういえば、あんた宛ての荷物届いていたから部屋の前置いとくからね!ちゃんと見なさいよ!」
どすっと重いものを置いたような音のあと、どたどたと部屋の前から遠ざかる足音が聞こえた。
……行ったか。
かちゃ……と扉を開けると、いつぞやの段ボールがそこにあった。
最初のコメントを投稿しよう!