お勉強お疲れ様だにゃー

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お勉強お疲れ様だにゃー

「うーん…………疲れた。」 私はぐーっと伸びを一つすると、腕を伸ばしたまま机に突っ伏した。 そして、問題集だのノートだのが散乱した机の上に両手をパタッと置いた。 共通テストまであと1週間。受験生にはクリスマスも正月もあるはずがなく、私は1日10時間勉強を繰り返す日々を送っていた。 急速に癒しがほしい。切実に。 そんなことを思って机に伏せていると、インターホンがピーンポーンと鳴った。 私の両親は共働きである。現時刻は19時ちょうど。まだ帰宅していない。 ゆえに私がインターホン対応をしなくてはならない。 めんどくさい、と思いつつ立ち上がり、インターホンを覗き込んだ。 「誰もいないじゃん。」 置き配の可能性、ピンポンダッシュの可能性、不審者が潜んでいる可能性すべてを考えた結果、私はフライパンを持って玄関の扉を開けた。 「荷物は段ボール1つ……。」 置き配だった。不審者じゃなくて良かったと、フライパンと胸をなでおろしつつ、妙に温かい段ボールをリビングのテーブルの上においた。
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