LEFT SIDE

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あの日から私はゆんちゃんに教科書を借りに行かなくなった。壁一枚挟んで隣のクラスにいるのに、あの日から一度も話す事はないまま毎日が過ぎていく。同じ駅を使っているはずなのに、あの日から一度も会う事もないまま心がすり減っていく。 必死に繋ぎ止めていた。分かっていたから。私が手を離したらもう繋がりなんて無くなってしまうって分かっていた。
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