第一章 無限海水浴場の闘い その3

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「むむむ! なんてことだ! もう試練は始まったということか!」 「さぁ。お客さんのところに行きましょうョ。皇帝様!」  いつの間にかアイスキャンディーの背負子を背負ったハッカ嬢が皇帝を招くように先に立って歩き出す。  見れば、その先の遥かに続く浜辺にはいくつもの色とりどりのビーチテントやビーチパラソルが点在しており、その間をゆっくり行き来する何百人もの水着の男女の姿があった。  また、その中にはスペースイルカやスペースイソギンチャクの浮き輪に乗りながらキャッキャッと騒いでいる子供達の姿もあった。 「エートォ」  フリルのついた水着の腰の辺りにぶら下がっている日めくりカレンダーのような帳面をハッカ嬢は見つつ宣う(のたまう)。 「アイスキャンディーはぁ、1本200デアリク・・1000デアリクで1デアリタ・・10デアリタで1デアリゾ・・お金の単位ですかねェ~?・・あと、ストック数は背負子のスーパーミニクーラーの中に50本・・お金を入れるがま口(ケロマウス)は小銭入りと・・・」 「なるほど・・」  そう応じつつ、サリタル皇帝も自分の腰にぶら下がっている帳面を見る。 「なになに・・うどんストック数は背負子のスーパーミニクーラーの中に40個・・アツアツのお汁はスーパーミニホットポットの中に50杯分・・なんで汁の方がちょっと多いんだ?こぼすからか?・・で、トッピング?・・が、スペースワカメ?かスペースナルト?・・イラストが書いてあるが・・なるほど・・こんな形状のものがスーパーミニストッカーの中に入っていると・・・」  そうこうしながらも、水着の人々が行き来している浜辺に近づいていくサリタル皇帝とハッカ嬢───、すると、前方から何やらイカツイ体格をした二人の男が徐々に近づいて来るではないか!
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