火曜日のキッシュ

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 数日後にはアプリでやり取りするようになり、塾では勉強を教え合う。参考書を一緒に使って、帰りにコンビニで買い食いもした。  どうしてそうなったのか、美晴はうまく説明が付かない。    高校受験を終えたその日、美晴は蒼佑が自分とは違う高校へ行くと知って、正直ショックだった。なぜだろう。彼とは一緒にこれからも過ごせる気がしていたから。  だけどしばらくして、蒼佑とは思わぬところで再会した。    高校近くのコンビニ。蒼佑は店員、美晴は常連客になった。  とはいえたったの3年の話。大学に進学した美晴とは対照的に、蒼佑は地元のレストランへ弟子入りした。  美晴は何となく確信している。インターネットが発達していなかったとしても、蒼佑と自分は郵便でやり取りをしただろう。  2人の関係は友人のような、よく分からない関係のまま。  連絡は取りあうが会うことはない。でも、ずっと仲がいいような、悪いような。  腐れ縁? 運命?    お皿の上にあるはずで、だけど存在しないキッシュのことを考えながら、美晴はもう一度キッチンのほうを見る。  蒼佑が店を出したと聞いたのは3ヵ月前。
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