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始まり
ここにかつて英雄と呼ばれた人物がおり、間もなく死を迎えようとしていた。
ナポレオン・ボナパルトである。
その時、その側に1人の人物が現れた。
「お主は誰だ」
「父だ」
「おお、はるか東洋では、死ぬ間際に親の姿が現れるというジンクスかあるというが、まさにそれか」
「いや、あんたの父親ではない。あんたをかつて英雄と呼んだ人物がいる。その父親だ」
「それは一体誰だ」
「英雄という名の音楽を作ってあんたに捧げようとした人物といえば」
「おお、もしやベートーベン?」
「その通り。ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーベンの父ヨハン・ヴァン・ベートーベンだ」
「それでお主がなぜここに」
「どうせなら、さっきのジンクスの通りあんたの父がやって来た方がいいだろうが、わけあって来られなくて、代わりにわしが来たという事だ」
「そうか。だけど何でわざわざここに」
「特に意味はない。来たかったから来てみただけだ」
「何だそりゃ」
実際、そのようなジンクスは聞いた事がありません。
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