第16話(BL特有シーン・回避可)

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第16話(BL特有シーン・回避可)

「忍さん……僕の忍さん!」  ガラス瓶を戻した途端に京哉がのしかかり、小柄な身で組み敷いていた。何度も名を呼びながら長身の霧島に膝立ちで跨り、もどかしい手つきで残りのボタンを外す。  現れた象牙色の滑らかな肌にはこれまでの特別任務で負った傷痕があったが、美しさに遜色はない。それらの傷痕を愛しい想いで撫でたのち逞しい胸から引き締まった腹に、濃厚に舌を這わせて舐め上げた。胸から喉へのラインが匂い立つような男の色気を発散している。  夢中で胸の尖りを口に含んで転がした。  すると見下ろしていた霧島が初めて僅かに躰を反らせて喉の奥で呻いた。 「んっ……くっ……」  されるがままとなっている霧島だが、灰色の目には溢れそうなくらい情欲が湛えられている。喉を仰け反らせ腰を悶えさせる霧島の色っぽさと、清潔感のある上質な香りが京哉の理性をだめにした。  執拗に胸を攻めながらも、ふいに過去の男はこの匂いを嗅いだのだろうかと頭を掠めて、今更と知りながら嫉妬を持て余す。  自分の胸に湧いた痛みを返すように肩に顔を埋め、唇で挟んできつく吸い上げた。 「っく、京哉……私に何もさせないつもりか?」 「好きなだけ、やるって、言ったじゃないですか」  衣服を身に着けても見えそうな処にまで京哉は赤く濃く己の証しを穿った。既に二人とも躰の中心を勃ち上がらせているのが薄い布地越しに分かる。京哉は細い腰を揺らして刺激した。普段ならもっと余裕のある霧島がとうとう喘ぎを洩らす。 「うっく……京哉、はあっ!」 「忍さん、っん……はぁん」  年上の愛し人の反応に京哉も喘いだ。こんなに近くにいるのに恋しくてならず、引き破らんばかりに霧島の袖を抜かせ下衣も引き下ろす。既に霧島は熱く硬く、そして見慣れていながらも京哉が息を呑むほど太すぎる張り詰め方をさせていた。  殆ど規格外と言ってもいい存在感の霧島に慣らされ仕込まれた京哉は結局、人工的な物を使用しての行為に慣れていないために嫌う。  霧島の側は余程自分の方が経験豊かであるにも関わらず、京哉とだけは初めて何の隔てもなくひとつになりたいと願い実行してしまった。故にあれからずっと霧島は、ある意味京哉に甘え続けている。  もう京哉の自然な感触以外は欲しくなかった。  その京哉は掴んだ霧島に頬ずりし蜜で白い頬を汚す。そして太い茎に舌を這わせだした。敏感な部分をなぞり、先端に尖らせた舌を差し込んで蜜を舐め啜る。  次には口を開けると深々と咥え込んだ。太すぎるものの先端は苦しいほどに口いっぱいだったが精一杯舐め擦った。 「くっ、あ……あっふ!」  痛みのような快感が霧島を襲っていた。後頭部でフラッシュを焚かれたように思考が白く灼けて何も考えられなくなる。腰を抱き締められ逃れられずに何度も荒い息をついた。  京哉の巧みな舌づかいに翻弄され、すぐにも暴発させてしまいそうだった。 「んっ……京哉、あっく……ああっ!」 「んんっ、ぅうん……んっ!」  口いっぱいに太い霧島を頬張った京哉も、いつしか喘ぎを洩らしている。  見下ろすと赤い唇で太いものを咥え、苦しそうに苦悶の表情を浮かべた京哉は顔立ちが整いノーブルなだけに酷く淫らで一層霧島は追い詰められた。  自分の声とはにわかに信じられないような喘ぎを洩らしながら、腰を突き上げてしまわぬよう必死で堪える。だが幾らも我慢できず身を捩らせた。堪らず浅く腰を前後させてしまう。  苦しいだろうと分かっていても、どうしても我慢できずに悶えつつ訴えた。 「京哉、だめだ……離せ、許してくれ、京哉!」  しかし京哉は許さない。口内と唇で更に霧島を扱き上げた。 「んんぅ……っん、ん……そのまま、んっ、出して!」 「はあっ、もう……京哉、いく、出すぞ……あうっ!」  強烈な快感のピークが襲いかかり、押し返せずに霧島は何度も躰を痙攣させながら京哉の口内で達してしまう。喉にぶつけるように放たれた濃い欲望を京哉は全て嚥下し、扱いて滲んだものまで舌で舐め取った。  大量に放ってしまった自覚のある霧島は手を伸ばして長めの髪に触れる。 「すまん、あんなに。だがそんなものは吐き出していいと言っているだろう」 「僕が欲しかっただけです。いつも言ってるじゃないですか」 「そうか。ならいい」 「でも、忍さんってば、すっごい!」  いつものことではあるが霧島は一度放ってなお、いや、放つ前より太く滾らせて反り返らせていた。それを目にして息を呑んだ京哉は、実際これをいつも我が身に受け入れているとは信じがたくも少々怖いくらいだった。  それでもためらいなく自ら衣服を脱ぎ捨てる。既に京哉も蜜を溢れさせていた。身を重ねて全身で霧島を感じる。慣れた肌がしっとりと馴染んだ。  このまま融け合ってしまいたいとすら京哉は思う。霧島の象牙色の肌は体毛が薄く滑らかで温かくこの上ない安堵を京哉にもたらした。だがそうしていると霧島の情欲も強く感じる。  様々な想いと不安とを感じ取りながら、霧島は何よりも京哉を安堵させる方法を真っ先に取った。片腕で霧島は細い腰を抱き締め片手で二人の溢れさせた蜜を指に絡めて京哉の後ろを探ったのだ。硬く閉じた蕾を探り当て幾度か指先で嬲ったのちに、こじ開けるようにして中指を挿入する。深爪した指をそのまま深い処まで進めた。  するすると体内に侵入した指先でポイントを掻くと、細い躰はしなやかに仰け反る。 「はぁん……っあ、嬉しい……ああっ!」 「ここも、こっちも……お前にこうするのは私だけ、私がこうするのはお前だけだ」 「あっ、あっ……ああんっ!」  腕の中で京哉が身を震わせた。疼きの溜まりきった躰は敏感すぎるくらい反応し、甘く高く鳴く。長い指の先で霧島は刺激しながら指の数を増やし始めた。感じている京哉の粘膜は指で押すと熱く滲み出て濡れる。霧島への完全な信頼からくる現象か。  思い切り濡れ、濡らすことで何も必要としない行為を実現させているのである。  白い肌をうっすらと桜色に染めて快感を貪る京哉は妖しいまでに美しかった。  指で体内をほぐしきって中がぬるんでくると暫し抜き挿しして京哉を悶えさせた。数指を一度に抜いては挿して捩る。甘く高く鳴く京哉の堪らなく色っぽい声に京哉の粘膜から水音が響いて、霧島は耐えられなくなり全ての指を抜いた。  シーツの上に寝かせた京哉は自ら躰を開いた。存分に馴らしたばかりのそこを露わにさせ、霧島はそれでも自身のものをあてがった。  滴るほどになった蜜を塗り込み先端を食い込ませる。己の太さは分かっている上に京哉の華奢な身を想うと、はっきり言っていつも恐怖感はあった。  それでも互いに欲しくて堪らず、退けないのも分かっている。この先端を呑み込ませるまでの我慢だと常ながら思い、京哉に低い声を掛けつつ腰を進め始めた。 「京哉、お前の中に入れてくれ」 「お願い、頂戴……あっ、ん……はうんっ!」 「くっ、あ……きつ、い――」  京哉が息を吐くタイミングに合わせ、傷つける恐怖感を捻じ伏せながら、霧島はゆっくりと腰を進めた。その一方で元々持ち合わせた霧島本来の雄たる本能は、己の太いものがごく華奢な白い躰を貫いてゆく様を堪能している。  結局、我が身の動きを止められず根元まで埋めてしまった。京哉の最奥まで貫いて呻く。温かく柔らかなのにきつく締めつけられていったばかりだというのに、もう放出してしまいそうな快感が背筋を走り抜けたのだ。  突き当たっている処はこの自分しか知らない感触の筈だ。そう思うと堪らなくいい。  何とか昂りをやり過ごし京哉を窺うと、不規則な浅い呼吸を繰り返している。瞑ることも忘れたように瞠った目は、零れそうなくらいに涙を溜めていた。 「苦しくないか?」  これほど太いものを穿たれて苦しくない訳がない。馬鹿なことを訊いたと霧島は思ったが、京哉は小さく首を横に振って喘ぎ混じりに呟いた。 「んっ……こんなに、貴方とひとつに……なってる。僕、だけですよね?」 「当たり前だろう。もう、動いていいか?」 「いっぱい、突いて……引き裂いてもいい」 「そんなこと、できる訳ないだろう。だが、いっぱいしてやる」  黒く澄んだ瞳を見つめながら、きつく締めつけられたものを引き出す。離れてしまう寸前で突き上げた。二度、三度と繰り返すと京哉が霧島に馴染む。  そこからは二人とも夢中だった。霧島は思い切り腰をスライドさせ突き上げる。絡みつく内襞を擦り上げるたびに霧島を離したくないという思いが無意識に作用するのか、いつにも増して狭い窄まりに締めつけられた。  そんな京哉を押し分け突いては掻き回す。最奥まで何度も突いては抉って悲鳴を上げさせ、入り口から奥まで思い切り擦った。 「ああんっ……いい、忍さん……はぁんっ!」 「京哉、愛している……京哉!」  力強い腰の律動は徐々にスピードを上げ、京哉は激しく揺らされて霧島に酔った。中を掻き回され抉られて粘膜に強烈な快感が注ぎ込まれ続けている。  口からは勝手に叫ぶような喘ぎが洩れ続けていて抑えることができない。霧島が太すぎて張り詰めた粘膜が裂けそうだった。内襞全体が擦り上げられて余りの快感に眩暈がする。 「あぅんっ、忍さん……はぁんっ、ああんっ!」 「お前だけなんだ、京哉……私をこんなにしたのは!」  これ以上なく嬉しい囁きと気の遠くなるような快感を与えられ視界が涙で滲んだ。だが霧島がこちらを見つめているのは分かる。堪らない男の色気を湛えた切れ長の目に、あられもない姿をつぶさに見られているという事実が余計に快感を増していた。  更に力強い腰の律動が速くなる。ふいに予兆が湧き上がり、のしかかるようにして抽挿入に没頭する愛し人の背に手を回してしがみついた。 「忍さん……もう、だめ、かも――」 「私も……一緒に……くっ!」  荒い息づかいと、熱く硬く太い楔が出入りする音、喘ぎが重なって寝室に満ちている。霧島が京哉のものを握り込んだ。激しい律動に合わせて荒っぽく扱き上げる。  前後を攻められ京哉は一気に昇り詰めた。ただでさえ裂けそうだった粘膜が張り詰め切った霧島の形までくっきりと感じ取る。堪らず叫ぶように訴えた。 「あっ、忍さん……いく、いっちゃう、早く……はぅっ!」 「うっく……京哉……くうっ!」  一際張り詰めさせた霧島は京哉の体内にたっぷりと迸らせて熱く濡らした。同時に京哉も霧島の手の中に解放し迸らせる。  だがこれくらいで年上の愛し人が納得したとは京哉も思っていない。更に激しく、頑丈なダブルベッドが軋みを上げるほど揺らされた。あまりの快感に京哉は幾度も気を失いかける。  そんな攻めを受けながらも霧島の望み通り、京哉は何度も淫らな姿態を取っては攻め抜かれた。背後から際限なく突かれ、上に座らされもした。  抱き合い激しく掻き混ぜながら霧島は更に二度も達し、やっと灰色の目が平静さを取り戻したのは夜も随分と更けてからだった。
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