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私はあの子のことを私の運命だと思っていたのに。あの子は運命なんて存在しないって。そんなものはお伽話の中だけのもので現実にはないなんて。
きっとあの子の運命はお話の中に出てくるような雷に打たれるような衝撃を伴う、それでもとてもいいものだったのでしょうね。けれど私にとって運命はあの子の形をしていた。多分私の運命はオレンジの片割れなの。だから同じだったもの。
でもいろんなところで、あの子との違いを実感するにつれ運命というものを考え直さなきゃいけないと状況に迫られて。私はそれを拒否したの。拒否するために私はあの子から離れなきゃいけなかったの。
多分私の考える運命が間違っていて、だからあの子は私の運命で間違ってなかったのかもしれないけれど、間違っているから間違っていないなんて私には受け入れることはできなかった。今もどうかわからない。
だから私はあの子のもとに帰ることはできない。誰にも言うことはできない。待っててなんて言えない、言っちゃいけないのに多分誰かに言ったらそれを言ってしまうから、だから私は。
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