作戦会議

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作戦会議

学園の転入手続きの書類があると言うことは まだ翠くんは"転入していない" 「翠くんが2人に会わなければ、 雫たんと間宮は付き合えると思うんだけどな…」 キミスキの内容は最初に気になった メインキャラ5人の中から1人を選択して 運命の相手と結ばれるように攻略していく、 間宮奏を選ぶと運命の相手が雫たんで、 どのメインキャラも"気になる相手"が 攻略対象になるので、 間宮も雫たんに恋してたはずなんだ。 …翠くんに会うまでは。 どのメインキャラにも分岐点があって、 それが翠くんの転入してくるイベント 運命の相手か翠くんを攻略するかを迫られる。 大体二学期に分岐点作るのも鬼畜運営すぎるし、 運命の相手を選んでも、選択をミスれば 強制的に翠くんルートに変更されるため 油断できない強敵キャラすぎる。 「…雫たん以外の運営の相手には 結ばれるルートあるのにね…」 雫たんだけ攻略完璧にしても 結ばれずバッドエンドなの辛すぎる。 でも雫たんが結ばれない理由も 分かってしまうのが悲しい。 「雫たんが最推しだけど、 翠くんを嫌いにはなれないんだよな」 紫色のブレスレットを手に取る。 何故翠くんの部屋だと思い出したのか、 それはこのブレスレットが間宮と翠くんの お揃い手作りブレスレットだからだ。 2人は元々幼馴染で、離ればなれになる時に 翠くんが間宮へプレゼントしたもの。 間宮が持ってるブレスレットは薄緑色で お互いのイメージカラーのブレスレットを 必ず身につけていていた。 「そりゃ、雫たんも諦めたくなるよな」    元幼馴染な上にお揃いのブレスレットなんて 雫たんの気持ちを考えたら悲しくなる。 他の攻略相手は翠くんが恋敵キャラだったけど、 間宮ルートは雫たんが 翠くんの恋敵キャラだったって訳だ。 「今回はブレスレットはつけないで ここで俺の事を見守ってもらおう。」 付けて学校に行くと 間宮ルートに入ってしまう事になるから、 手に取ったブレスレットを壊さないように 箱に入れて棚の奥へしまう。 「…ごめんね。」 少し痛む気持ちと共に そっとタンスの鍵を閉めたー。
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