決着をつける時

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“美人局(つつもたせ)…” 鈴木が静かに言った “はあ?” 優香里が顔色を変えて鈴木を睨む “申し訳ないが… 優香里さん… あなたと宅間さんが行っていたバーの従業員に 啓祐さんを知っている人がいましてね… あなたの事も見覚えがあると思い出して連絡をくれたんですよ” 落ち着いた 鈴木の声はヒステリックな優香里を黙らせるには充分すぎる迫力がある… “で… ちょっと調べさせて貰ったんですよ そしたら… 出るわ出るわ… あなた方派手にやってますね… 優香里さんの写真… 結月さんの写真… 啓祐さんの写真… 見せたら皆さん口を揃えて言ってましたよ 騙されたってね… 田中さん… あなたも騙されて脅かされていた1人ですね?” 観念したかのように “すみません! 先輩を騙すような事をしてしまって この女にバーで声をかけられて 一緒に飲んだまでは覚えているですけど 気がついたら ホテルのベッドに裸で寝てて… そしたら ヤクザだって言って この男が会社にまで来て… すみません! 中山さん!すみません!” 何度も 頭を床に擦り付けるように土下座をして謝る田中に “お前さぁ~ 薬…盛られたんだよ これ…” 内ポケットから取り出し “これを 紗羅さんのワインに入れろって この女が指示したんだぜ” そう言うと 俺にその薬包を見せた “おそらく 宅間…お前も…” 中山が申し訳なさそうに言う “この薬は もちろん証拠として警察に提出します” 鈴木がテーブルの薬を取ると すぐに鞄にしまった… “今頃… おそらく何人かの方が 警察に被害届けを出しに行っているはずです おとなしく 自首をおすすめしますが…” 冷静沈着な鈴木の言葉に “何言ってるの! 私は…私は…悪くないわ!” 優香里の声と “証拠はあるのかよ!” という啓祐の怒鳴り声が部屋に響いた
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