決着をつける時

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パトカーの赤色灯の色が ホテルのエントランス…フロントまで届いている… 何事かと野次馬が集まり その中を “見せもんじゃねぇーんだよ!” と大声を上げながら啓祐が連行されていく… 優香里は 下を俯いたまま黙って歩いていく… 二人の手には しっかりと手錠がかけられ その上から着ていたコートがかけられている “紗羅…” 聖が後ろから声をかけてきた… “事情を聞きたいらしいから… 俺も…警察に行ってくる…” “わかった…” 紗羅はひと言だけ言うと ふりむくと 聖を見つめて “聖… 私達…別居…しよう… ハッキリしたことは… また…連絡する…” と言うと また… 体を聖から背けると黙って俯いた… “………わかった……” 聖はそう言うと タクシーに乗るために外へと歩き出した… “え?! 俺も?!” 突然、後ろでスットンキョウな声を中山が出した “当たり前でしょ?! 被害届も出して あの女から何を頼まれたか ちゃんと証言するのよ!” 敦子から言われると “田中! お前も来るんだよ!” 半ばやけくそのように叫ぶと 後輩の田中さんと 聖の待つタクシーへと向かった… “迷惑をかけてすまない…” ホテルのジェネラルマネージャーと話をする鈴木の声が聞こえてきた “いえ… 健二様…それで…解決されたのですね” 大ホテルのジェネラルマネージャーが 鈴木さんの事を下の名前で呼んでいる… “まあ… 七割だがな… 明日になれば 親父の耳にも今日の騒ぎのいっけんは入るだろう… 俺から説明して 迷惑をかけないようにする… 明日はまた雷だな” と笑って言うと 聖達の乗るタクシーの助手席に座ると 警察へとでかけていった…
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