決着をつける時

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風呂から上がると 聖は 紗羅が用意してくれた鍋焼きうどんに箸をつけた… 紗羅は 黙ってキッチンに立って 後片付けをしていた… きっと… 美味しいんだろう… だが… 味なんて…しなかった… このあと 紗羅から どんな話をされるのか… きっと… 俺は 紗羅から三くだり半を突きつけられて捨てられる… それだけの事をした… 紗羅を不安に陥れ… 悲しませ… 寂しい思いをさせた… 捨てられて当然だ… 目の前が霞むのは 鍋焼きうどんの湯気ではない… いっそ… 土下座をして謝れば… 紗羅は許してくれるだろうか… 捨てないでくれとすがれば 紗羅は抱きしめてくれるだろうか… これ以上…俺と居たら… 過去のトラウマと 今度の件とのことで… ……壊れてしまうんじゃないか… いろんな事が 頭に浮かんでは消え… 消えては浮かび… 何が… 正解なのか… わからなかった…
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