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“紗羅…
もう…我慢する事はやめなさい
紗羅は
紗羅の人生を楽しんでほしい…
大丈夫…
聖さんは
きっと受け止めてくれる…
聖さんも
あなたを思うあまり言えなかった事もあるかもしれない…
話してみなきゃわからないよ…”
母は
紗羅の手を握りながら優しく話しかける…
“今…話さないと
時間が経てば
どんどん言えなくなる…
紗羅の思うこと
紗羅の気持ちを聖さんにぶつけてきなさい
大丈夫…
紗羅の帰る家はここだから…”
“わかった…”
紗羅はそう言うと立ち上がった
“姉ちゃん
俺が一緒に居ようか?”
と伊織も立ち上がる…
“大丈夫…”
紗羅が言うと
母が
そっと伊織に目配せをした…
“夫婦の事は
夫婦で話し合うのが一番よ…”
母が伊織に諭すように言う
“送っていこう…”
父が立ち上がる…
“紗羅!
紗羅がどうしても嫌なら
我慢しないで帰っておいで
無理をすることはないの…
ただ…
言いたいことは吐き出して来なさい…”
母が
必死に紗羅に言う
言いたい事を
ちゃんと表現できないもどかしさからか
何度も
何度も言う…
紗羅は
コートを着ると
父と共にマンションへと向かった
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